令和4年度 女性会員の会開催のご案内

臨床研究から見えてくるCAD/CAM冠のユニークさ

このたび女性会員の会では、オンライン(Web)にて講演会を主体とした会を開催することになりました。

直接お会いすることはできませんが、オンライン(Web)開催ですので、遠方からもご参加いただくことが可能です。男女を問わずご参加いただけます。
是非ご予定を合わせていただき、ご参加いただきますようご案内申し上げます。

【開催日時】:令和4年9月5日(月曜日)19:30~21:00(予定)
【開催方法】:オンライン(Zoom)での開催
【参加費】:無料(先着100名)
【参加申込】:以下のGoogleフォーム(URL、QRコード)からお申込み下さい
https://forms.gle/MEQcs8NBWkETMsfq5

【申込締切】:令和4年8月31日(水)

【演者】:江草宏先生


東北大学病院 総括副病院長
東北大学 大学院歯学研究科 歯学イノベーションリエゾンセンター長
先端再生医学研究センター長
分子・再生歯科補綴学分野 教授

【内容紹介】
CAD/CAM冠が小臼歯に保険適用されて8年が経過し、装着後のトラブルの傾向がわかってきました。当初は破折に対する懸念もありましたが、実際に症例が蓄積されてくると、トラブルの多くは冠の脱離で、装着後早期に発生する傾向が指摘されています。

CAD/CAM冠の保険適用は、段階的に下顎第一大臼歯、上顎第一大臼歯に拡大されましたが、「上下顎両側の第二大臼歯が全て残存し、左右の咬合支持がある患者に対し、過度な咬合圧が加わらない場合等において」の条件が付されています。その後前歯にも保険適用されたCAD/CAM冠、今後どのような展開を見せるのでしょうか。

世界的に見ると、臼歯部単冠補綴装置の材料は二ケイ酸リチウムやジルコニア等のセラミックスが主流です。日本では国民皆保険制度のもと金属冠が広く普及した背景があり、その代替としてハイブリッド型コンポジットレジンを用いたCAD/CAM冠が注目されているため、良くも悪くも世界に先駆けてエビデンスを先導する立ち位置にあります。

本講演では、我々が行ったCAD/CAM冠の臨床研究を示しながら、予想し得るトラブルやこれに対する留意点を整理すると共に、実験室で得られたデータから見えてくるCAD/CAM冠のユニークさと材料開発の展望をお示ししたいと思います。

また、総括副病院長の立場から、同窓の皆様に東北大学病院の現状や最近のトピックスをお話ししたいと思います。

*講演後に参加者から演者への若干の質疑応答(歓談)の時間を設ける予定です。

【講師略歴】

1998年に広島大学歯学部卒業後,1999年香港大学歯学部研究助手。
2002年に広島大学にて歯学博士を取得後,日本学術振興会特別研究員として米国UCLAワイントロープ研究所に勤務。
2004年に大阪大学歯科補綴学第一教室助手,2007年に同助教。
2014年から東北大学 分子・再生歯科補綴学分野 教授。
現在,東北大学病院 総括副病院長(歯科診療部門長),東北大学歯学研究科 歯学イノベーションリエゾンセンター長および先端再生医学研究センター長を併任。
J Prosthodont Res編集長。
英国王立病理医協会フェロー(FRCPath),日本補綴歯科学会専門医・指導医,日本再生医療学会認定医,インフェクションコントロールドクター。
主な受賞は,2002年にIADRエドワード・ハットン賞第一位,2004年にIADRアーサー・フレッチェ最優秀若手歯科補綴学研究者賞,2012年にIADR最優秀若手科学者賞など。
スタンフォード大学公開ランキングにて2020年科学者トップ2%に選出。